2009年08月18日

溶けてゆく時間・・・・・

溶けてゆく時間・・・・・


溶けてゆく時間・・・・・

十代のそれは、風を切るように・・・・・
時計を早回しにしてもなお、明日が待ちどうしい。
パンパンに膨らんだ夢は、食べても食べて食べきれないほど溢れてくる。

20代のそれは、だんだんと、そして少しづつ長い方の針の動きが気になる。

「チックタック・・・チックタック・・・」

十代の頃のそれは弾むように楽しかったのに、今はその音さえ追立てるように聴こえる。
それでもまだ僕は萎みかけた「夢の風船」に、思いっきり息を吹込む。

30代のそれは、そこにはもう一人の自分がどうなるか、どうなって行くかを考えている。
そしてその時計の針を待ち遠しく、早く回したくなっている自分がいる。
しかし、気がつくとその時間は短い針までがなぜか早い・・・・・・
ひとつ、二つ、三つ・・・と、目まぐるしく、もう一人の自分が楽しくも五月蠅い。







40代のそれは、そろそろ溶け始めている。
何の前触れも無く、それは溶け始める・・・・・・
気が付いた時・・・・・それは、「時」既に遅しか。
その昔、「の」の字を書いていた恋人も、やけに自信たっぷりな物言いに変わっているから可笑しい。
変に「夢・・・」などと「ユメユメ」云おうものなら「努々」思うな・・・と、諭される。

50代のそれは、儚くも「心も身体も」その時間の中に溶けている。
その分、開き直って益々気分は「少年帰り」しているのだが・・・・・・
その傍らで、昔の「恋人」は僕の「少年」を嘲笑いながら今日も元気だ。

まあ、それはそれでよいとしよう。
その昔、「ピーピー」と五月蝿かったもう一人の自分も、僕と同じ道を辿り始めているのだから。
可笑しきかな人生である・・・・・
この時分の時計の長い針と短い針は何時も重なりながら動いている。
それも、ゼンマイ時計のように振り子も、重そうに。

そして暦が還る今日この頃には、
新しく生まれたもう一人の自分が・・・・・・
僕が、一体、どこの誰なのかを教えてくれている。

溶けてゆく時間の中で・・・・・



Posted by 昭和24歳  at 08:47 │Comments(0)

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