2020年02月07日

路地裏世代

路地裏世代
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ヒロポン中毒で背中には「般若の刺青」...畳屋の「セーちゃん」。
今年で古希。「横丁」では未だ、右腕の「ご意見無用」の彫物が季節だ。
その「セーちゃん」、最近の小僧にションベン臭いねーちゃんの「タトゥー」やらにはご機嫌斜めである。

僕の「横丁」には「エライ」人は随分と居た。
頭の「新井さん」とか、「団子屋のマーボー」に、縄抜けの「真ちゃん」とか。
あぼん屋の「ナミチャン」なんて云う人も居た。

戦後は右も左も「エライ」時代だった。
昭和31年、「赤線」が消え、ここ「横丁」は北関東きっての歓楽街「柳川町が名を馳せ「横丁」の長屋には、「お水」のお姉さんが一方の風情を織り成していた。

「横丁」には、何処の「横丁」にも、コップ酒場があった。
大体が、酒屋。今で云うなら「コンビ二」の趣、カウンターで飲む、縁台で飲む。
良くは知らないが、何でも「料飲法」という奴で座らせて、飲ませてはいけない決まりがあったようだが、そんなことはお構いなし、「エチルアルコホール」のきついのが一杯も入れば「矢でも鉄砲でも持って来い」のご時世。
しかし、いつの世も「お上」の言うことは「庶民」には横柄だ。

昭和30年代です。買防でパクられるお姉さん、選挙違反でしょっ引かれる、小父さん...
垣根越しの悪たれ、罵詈雑言、鍋釜が飛び交う夫婦喧嘩、それでいて「離縁」なんて云う話は聞くこともない。
6畳一間の長屋に下手をすれば、三世代が。そして共同便所に、共同炊事場、共同水道。
疫痢、赤痢、はたけに、田虫...チョイト運が悪ければ、トラホームに蓄膿、デキモン問屋。町医者にしたって、ヤブもへぼもない。
国民皆保険がやっと始まる頃だから、医者なんかにはかかる筈もない、殆どが往診。
もっとも、病院たって、別に「医療機器」があるわけじゃあないし、医者もこられても困っただろう。

あの頃、あの時代の「ガキ」だから、僕らの「ジンバラ」は今の「ガキ」の「ジンバラ」とは「ジンバラ」が違う。
考えてみれば、肉こそ食わなかったものの冷蔵庫と云う物が無かったお陰でいつも、旬の物、新鮮な物を食べていたわけだ。
僕の所は、内陸、海なし県だから鮮魚は殆ど縁が無い。秋刀魚、鯖、鯵の開き、鰹のナマリに、鯖の煮付け等など。
佃煮屋も「横丁」には必ず一軒あった、豆腐屋、八百屋は引き売り、納豆屋、卵屋は朝の目覚まし。

牛乳も、搾りたて、野菜も採れたて、梅干、糠漬け、沢庵に白菜漬け。
今頃は、チョイト漬き過ぎた、紫紺の「ナス」と口の曲がりそうな「キュウリ」があれば、3杯飯は行ける。
今朝も、そのナスと、大根に豆腐と大根の味噌汁でレトロな贅沢三昧。

今では近代文明の恩恵か知らないが大型冷蔵庫には賞味期限すれすれの生鮮食品が汗をかいている。
「時代」という物は、随分と無駄を作るもんだ。別に、高速道路や、大型公共事業だけではないようだ。
我が家の「公共事業」も、ここに来て、相当「怪しい」。

路地裏の世代



Posted by 昭和24歳  at 09:40 │Comments(0)

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