黄昏て“爺放談”

ジャニスを聴きたくて・・・



湿った空気・・・・・
ノイジーなエキゾーストで目が醒めた
そして微かにマニホールドの焼けた匂いが飛び散る中
なんの飾り気もないシケタイントロで始まる
遠いイメージの残像に

♪Summertime ♪



・・・大学をドロップアウトしたジョプリンは、1963年にサンフランシスコへと向かった。フォーク・シンガーとして生計を立てていたが、この頃から麻薬の常習が始まったとされる。覚醒剤やヘロインの他にアルコールも大量に摂取していた。彼女のお気に入りの銘柄は「サザン・カンフォート」であった。

　当時の女性シンガーについて当てはまることであるが、ジョプリンの外的なイメージと内面には大きな隔たりがある。後に彼女の姉妹が著わした手記『Love, Janis』には、彼女が知的でシャイ、繊細な家族思いの人物であったことが記されている。

・・・・・1970年10月4日、アルバム『パール』の録音のため滞在していたロサンゼルスのホテルで死亡しているのが発見された。27歳没。使用したヘロインが通常のものより高純度であったため、致死量を越えたことが原因であるとされる。録音中だったアルバムの収録曲のうち、「メルセデス・ベンツ」はアカペラの仮録音、そして「生きながらブルースに葬られ」は本人の歌が録音出来ないまま演奏だけが収録されている。遺灰は、カリフォルニアで海へ撒かれた。
＜出典：ja.wikipedia＞

ジャニス・ジョプリン。

1943年生まれ。

2歳で亡くなった僕の姉と同い年。

1970年、27歳夭折。

昭和45年、高崎の街はせせこましくしながらも活気に満ち溢れていた。

ちょうど、今頃の時期なら夕暮れには・・・・・

田町通りから、駅前通りまでの間に5、6台の屋台ラーメンが並んだ。

高崎駅西口には“喫茶ナポリ”と“喫茶ブリッジ”、

そしていかにも「駅前食堂」といった趣の“万年屋”に“永楽”が。

そこから南小正門につながる路地、雑居ビルには縄暖簾の赤ちょうちんが数軒、

いわゆる「戦後」とでも言うんだろうかその佇まい・・・・・

ローカルな商都、その駅前から数軒の「駅前旅館」が、今はその名残さえない。

そういえば、問屋町なるものが立ち上がるまではその駅前から、

中紺屋町あたりまで、おそらく幕末以前からの老舗の繊維問屋が活況していた。

「吉野藤」、「国光」、そして同級生だった高橋君ちの「正木屋」など等。

で、その問屋だが、コレ↓

・・・昭和42年に11万坪という広大な土地に、市内卸商社約170社が集まり、日本で第1号の卸商業団地「高崎問屋街」が誕生しました。
＜ビエント高崎・問屋町の歴史より＞
http://www.viento-takasaki.or.jp/about/history.html

＞市内卸商社約170社が集まり

ってぇことは高崎の市街地から忽然として・・・・・

170社、社員、従業員数を考えたら「民族の大移動」。

街が消えた。

まあ、それを考えたら、アレからもうすぐ半世紀が経とうとしているんだが、

今では、その問屋町も、それの消えた旧市街地も消沈している。

まあ、物流の形態も、流通のそれもその時代とは大きく変貌してしまっているのわけだから、

なんとも言えないところだが、「街」を考えたとき・・・・・

その半世紀後の変遷、変容を占う教訓にはならないだろうか？

時代の移ろいと言ってしまえばそれまでだが、「街」が失ったものは小さくはない。

今では喫茶店も、映画館もどこにも見ない。

食堂も、本屋さんもほとんど知らない。ブームなのだろうか「ラーメン屋」が散見するだけ。

とは言っても、その「ラーメン屋」も老舗は記憶の中に消えた・・・・・

昭和42年。戦後のベビーブーマー、

いわゆる「団塊世代」が婚期にさしかかったそんな「核家族」の時代。

つまり、そこには人口が一挙に倍増する、少なくとも1.5倍増にはなるその時・・・・・

街は「都市計画」の名の下に拡散されていった、「バラバラ」、「チリジリ」に。

まあ、商いだって「人」がいなけりゃあ商売になりません。

「街」だって、「街」じゃあない。

人気のない、無音。当然飛び交う言葉もない静寂、静かで寂しい街。

そういえば桜橋通り、旧富士銀行並びのサカイレコードから、

ジャニスの祈り、ムーブ・オーヴァーが・・・・・

♪Mercedes Benz-Move Over ♪



ジャニスを聴きたくて・・・