2009年08月18日

未来の僕たちへ

未来の僕たちへ

囀り石、囀石(さえずりいし)
群馬県の文化財である大きさ約4メートルの巨石。しゃべり石ともいう。 




未来の僕たちへ

時代を囀り、瓦礫の中・・・・・
僕等は始まった。

昭和32年、北海道北見から・・・高崎の炭鉱(炭田)へ。
同じ頃、下久保ダム建設で埋没のため「一部落」高崎の観音山丘陵北端に入墾。

「母子寮」というのもあった・・・・・日本の至る町にあったのだろう。
僕等の同世代の子どもたちが殆どだったので、父親が「戦死」したという事情ではないようだった。
敗戦の瓦礫の中、ただ「生きる」ことだけに生きる母と子ども。

満蒙開拓団、所謂「満州帰り」。新婚で国に誘われるまま満州に渡り、そして敗戦。
命からがら、乳飲み子を残し焦土を踏んだ若い母親・・・・・・

それが、僕等の「母世代」です。

そのまま、夫は「お国の三百里」の土になったやも知れず・・・・・
30代そこそこの「母達」の明日知れぬ暮らしが、昭和20年8月15日を境に始まった。
僕の世代、年子で4人兄弟、姉妹は当たり前・・・・・

街には廃墟の中にもバラック仕立ての2軒長屋がいっぱいだった。
水道、洗い場は「共同」。大人達の心は「荒み」きっていた。
大人たちは、ただ敗戦という理由に180度の価値観の変貌に世間を忌み、嫉み、妬む。

そんな時の、松川事件であり、三河島事件であり、三鷹事件であり、帝銀事件だったのろう・・・
街は、喧騒に溢れ、怒声、罵声の渦・・・・・全ての食糧が「配給」。

そんな中、僕等は湧くように生まれたのだった。

忘れてはいまいか、かつてのあの時代の、その世情を。
今のように、政治に不満を云うどころの騒ぎではない。
国民が食うことに、生きることだけに精いっぱいだった、そうした世情の責任を回避したまま・・・・・
戦争責任者たちはこの国を売り、狡猾にも再び、この国を私腹し始めた。

伝播されているように、A級戦犯の「巣鴨プリズン」謎の出獄である。
公職追放されていた、その時分、40代からの時代の支配者たちは見事に復活し・・・・・
占領政策に、新憲法下、普通選挙でこの国を誑し始めた。

中国革命、朝鮮動乱で米国の後方支援、兵站基地として、ものの見事に他国を犠牲に「経済復興」を遂げ、
後にも先にも、猿芝居「政・官・財」癒着の「55年体制」を、物言えぬ民草を踏みつけて謀った。
そして今日、国家は厚化粧のなか、創られた「豊かさ」も崩壊し世相は変わったかに見えるが・・・・・・
世情は何らの変化を見ない。

あの時のままだ・・・・・

逝った人の、逝った人の世襲者たちの「潜み笑い」が囀り。

あの時の極度な貧困化に湧くようにして生まれた世代が「団塊の世代」と煽てられ、
醜いほどの消費、消耗文化を弄んだ、その「ツケ」の精算はまだ済んでいない。
それは、湧くようして生まれた、そしてその一世代上の戦中生まれ世代・・・・・
いわれる、「4人に一人」がその次世代、次々世代に集ろうとしているがそれでは持つまい。

精算しないまま逝くのですか。「醜塊」を遺したままで・・・・・

せめて、自分の「戒名代」くらいは、今、遺しておきましょう。生きているうちに。
葬儀一式400万円くらいが相場とか。
そして、あの世への戒名代、「税務署がうるさいもので」と20万円、40万、70万円・・・・・・
「その先はお気持ち次第です」とお釈迦様の使途が品書きをそっと出す。

僕等世代、合わせたら、戒名代だけでも、ほぼ、3兆円・・・お寺さんがお待ちです。
別に神仏を冒涜するつもりはありませんが、仏になるのに(仏教のみ)借り物の祭壇、儀礼に400万円は・・・・・
おくり人の皆様には申し訳ありませんが、その莫大なおカネ、もっと違う使道もあるのではないでしょうか。

葬儀社の、病院への売り込み合戦も壮絶らしいですからと報道特番。
やはり其処でもその地の有力者(議員)が跋扈するという。

せめて、人としての最後くらい、
いや、死んでまで「商品」にされたのではたまらない。

いつのころから、そういう死人(しびと)を商品にする世相になったのか・・・・・・
僕が知る限り、僕の祖父母の葬儀(昭和30年頃)はただただ、それはしめやかにであった。
その、高度経済成長は戦後の清貧、人々の心を塗りつぶすようにして拝金した。

御殿のような貸し葬儀場・・・・・・

どう考えたらいいのか、人生の終わりと、人生の始まり、冠婚葬祭が同じ商い。
他所の国のことは詳らかではないが、この国のその事情を知るとたいそう驚かれるそうだ。

そして、少子高齢化、冠婚事情は曇りのち雨だが、葬祭事情は晴天つづき・・・・・・
今や、葬祭産業の経済規模は2兆円。今後ますます活況ですとか。

僕が死んでも、位牌もいらない、墓も要らない、石塔もいらない・・・・・・
灰にして、この「星」の土に返してくれればそれでいい。

そして、僕のことなんか、とっとと「忘れて」幸せに生きてください。

未来の僕たちよ。



Posted by 昭和24歳  at 07:56 │Comments(0)

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