2008年12月23日

“catastrophe”

“catastrophe”

明らかに時代は“崩壊”と“変革”を待っている・・・・・


『格差はつくられた』ポール・クルーグマン著
(三上義一訳)

“catastrophe”


今年のノーベル経済学賞の受賞が決まったポール・クルーグマン氏が、近著『格差はつくられた』(三上義一訳)でこういう・・・・・

昨年6月の米ギャラップ世論調査で、


「アメリカの経済状況をどのように評価しますか?
という質問に対して、『非常に良い』、ないし『良い』と答えたのはわずか3分の1程度だった。
90年代後半、そう答えた回答者数は2倍もあった」


2000年に入ると、米国の代表的な大企業のCEOの報酬は平均900万ドル(約9億円)に急上昇する・・・・・・
つまり、クリントン民主党政権から子・ブッシュ共和党政権が何をしたかが見えてくる。

そしてその間に、フルタイム労働者の平均給与に比べ、70年代に40倍だった格差は、367倍にも跳ね上がった。
この格差の広がりが、米国民に「チェンジ」、それは“オバマ大統領(当時は候補)言葉だが、
あの人種差別の嵐の吹き荒れた20世紀のアメリカ合衆国で「黒人大統領の誕生」への民衆の欲求は、その意味では選挙という無血“革命”ではないか。

米国でこの30年間に、たしかに平均所得は大いに上昇している・・・・・・
しかし、それは少数の人々が飛び抜けて裕福になったからだ。

クルーグマンはその著書の中でこう比喩する・・・・・・

「もしマイクロソフト社のビル・ゲイツがバーに入ってきたら・・・・・
バーの顧客の平均収入は急上昇するが、バーにいた人々は以前よりも金持ちになったわけではない」


それは偶然ではない・・・・・
日本も、森、小泉、安倍、福田、そして麻生と、“クルーグマン”の指摘する、


『格差はつくられた』

そしてその最終章が今日の“未曾有”の「100年に一度の津波」(グリーンスパン前FRB議長)の、
そのシナリオを描き続けた人間の“証言”ではなかったか。



ある日突然に・・・・・

ついこの夏、8月までの世界は“カネ余り”で投資先を失った“投機マネー”が原油、天然資源価格の暴騰で、
その資源国のオーストラリアや中東、ドバイは天空の回廊を林立させていた。
日本でもオーストラリア人観光客が日本情調を楽しむ光景が、そのオーストラリアドル高とともに紹介され、今日のこの事態を誰が想像していただろう・・・・・

8月、レギュラーガソリン価格はリッター“180円”超え、200円もの声と、電気自動車やら、
次世代エネルギー開発がまことしやかに騒がれ・・・・・
世界の自動車産業界でも“トヨタ自動車”のハイブリットカーは垂涎の的だった。

わずか3か月で、100年以上の歴史のある米国金融機関の突然の破綻報道!!
そして、12月、世界中が金融危機を伝える、米国ビッグスリーの破綻か・・・・・
そしてトヨタの、ホンダの、キャノンの減収減益。つい昨日までの世界最先端を行く大企業が派遣切りを表明。

まさに、「為す術のない」経済崩壊のトレンドにのみ込まれたかのような世界経済・・・・・
そんな中、あのキリスト教原理主義国家、白人至上主義国家のアメリカ合衆国は合衆国始まって以来初の“黒人大統領”を決めた。
つい半世紀前までは人種差別政策を平然と執ってきた“WASP”のアメリカがである。
確かに白人との混血だが、明らかに肌の色の黒い大統領ファミリーが“ホワイトハウス”の住人となった・・・・・
この現実は明らかに“革命的”瞬間ではなかったか。


それは、全く新しい時代の始まりを意味しているようだ・・・・・

「立ち直る」とか、「回復する」とか「復興する」とか、そういう類の話ではなく、今まだ誰も体現したことのない時代。
それは突然氷河期が訪れ、恐竜時代が消滅したような・・・・・

近代史から見れば大航海時代からアヘン戦争まで、そして第一次世界大戦、第二次世界大戦と、
この地球上を欲しい侭に侵略し、虐殺し、略奪、植民“支配”してきた『白人』。
その意味では、この人間社会において、いや、動物社会において、弱肉強食の頂点に位置し、
有色人種を戦争という手段で、暴力で虐げながら莫大な富を独占しつづけてきた・・・・・


ところで、日本はどうか・・・・・・

つい昨日までの社会保障切り捨て政策や、言われる派遣切り大企業独占経済社会から、たった1、2か月で政府はこれまでその存在すら否定しつづけてきた“埋蔵金”を政策財源に充てるとかで、
このこと一つだけをとっても、あきらかに異常をきたしている・・・・・
つまりこのことで、この1、2カ月に起きた経済現象が、「立ち直る」とか、「回復する」とか「復興する」とか、そういう話では全くない。

これまでの、小手先の、取ってつけたような政策で変わるような事態でもない。
後戻りできない社会に一歩踏み出してしまっている・・・・・
それも、先の明治維新の時のように、「舵取り」もいない、手探りの“維新”。


日本は知る限りではこれが三度目・・・・・・

外圧の明治維新、外圧の民主主義・・・・・こんにちはそんな外圧もない・・・・・
あきらかに日本人そのものが試されているそんな未体験ゾーンの時代。


ポツダム宣言受諾から昭和26年の奴属国家への“日米講和”発効までの間に生まれ落ちた・・・・・
まさに“生れ落ちた”僕等世代。


生れ落ちて、この“時代”に拾われて・・・・・
ただただ消費するためのほぼ“1千万人”の人口規模の“塊”がたった5年ほどの間に出現した。
その“1000万人”が今年から200万人強づつ“還暦”を迎える・・・・・


これほどの“catastrophe”が今まで世界中にあっただろうか。

おそらく国家、政府も世界の何処も体験していない“catastrophe”に予測すら出来かねているのではないか。
1000万人といえば・・・・・・
英、仏、等々先進国の人口の20%、カナダの半分の人口が4年間で“還暦”になる(笑)。
北欧、スウェーデン一国の人口規模が突然生まれて、それは生まれてきたときのように、5年ほどのスパンで突然消えてゆく。

この国は見せかけであれなんであれ、社会主義のような国家が保障する経済体制が、大日本帝国崩壊以降60年も続いた・・・・・
それは、この国が望んだことではないことは明らかだ。

占領国、米国の政治体制がこの国を、そういう国に仕立て上げ、
恰もこの国、国民がそうした“平和国家”、あるいは平等な民主主義社会を創造したかのように見せてはいるが・・・・・

何のことはない、これまでは米国の経済補完国家、
そしてこの国が軍事独立をせぬ限りにおいては、米国の軍事“戦闘補完国家”として、兵役こそ外されてはいるものの、“軍需負担”において強制される羽目になっている・・・・・

なおも、講和条約の範囲でしか・・・・・
それは韓国、台湾以下の政治的自立のない半国家のようなものでしかなく、宦官政治体制で存在する実に奇妙な“ニッポン”であることは、
昨日今日のニュースで十分明らかにされていることだ。


日本の財政赤字は天文学的だとは言うが、
それは“真っ赤な嘘”で・・・・・


その赤字といわれている分そっくりが米国、そしてかつての戦勝国と、
米国の軍事プレゼンス、戦争の尻拭いのための第三世界への援助金として化けているだけ・・・・・・

もちろん、米国債も中国等の円借款も、いわゆる有償ODAを「返してくれ」なんて言おうものなら、
拳骨をお見舞いされるのは間違いない・・・・・

それでなくても、韓国、北朝鮮は日常的に日本の“謝罪”と“賠償”を要求しつづけている・・・・・


この現実は本当の“現実”だろうか・・・・・・!!???

なぜなら、あの戦争を戦った、中国大陸を侵略した、
朝鮮半島を植民地、併合、主導した“ニッポン人”はもうこの世にはほとんど存在しないはずだ。
そしてその清算は、その時代の経過の中に決着していると歴史は言っている。
悶着をつける、当事者もその時の中国人でもなければ、韓国人でもない・・・・・・

確かにそういうことになっているのだが、現実はその子々孫々が今の日本の“政官財”。
いわゆる、アドミニストレーター、支配者階層として為政している。
その限りにおいては永遠に、国民民衆はその贖罪を意識させられつづけ、ただの道具として生かされるにすぎない存在のまま・・・・・


意思なき国家。

経済的にも、軍事的にも、政治的にも、自立できない“見えざる植民国家”。


“catastrophe”


国民が気付く時ではないのかと、ふと思った・・・・・

ワーキングプアからも徴税(笑)。

平均年収“160万円”でどう国家に奉公せよというのか!!???

国家は、借金もしていないのに、
借金が、1千兆円もあるとか言う・・・・・
そのための財政再建、構造改革をいう。

国民から、将来の国民から50年分の借金だという・・・・・・


ならば、一旦清算してもらおうじゃあないか。
本当に“負債”があるのなら・・・・・


“catastrophe”という手段で。

宗主国、アメリカ合衆国が“チェンジ”したのだ!!

その宗主国が“チェンジ”したのにもかかわらず、睥睨国家のままなのか・・・・・
もっとも、その方が居心地の良いのが今の為政者なのかも知れない。
あの明治維新も、それがフィクションでしかなかったことを、NHK大河ドラマ“篤姫”が教えてくれている。


そして原爆でも変わらなかった象徴天皇ニッポンに・・・・・

はたして“チェンジ”は!!???



Posted by 昭和24歳  at 11:46 │Comments(0)

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