2008年03月17日

霞ヶ関の官僚特権

霞が関の官庁街を歩くといろんな≪不思議≫に出会う。
例えば、この街では消費税がゼロなのだ。

厚生労働省の地下1階に大手コンビニがある。
お昼時になると、レジには弁当やおにぎりを抱えた職員たちの列ができるほど大盛況だ。

ふと見ると、レジのカウンターに大きく、
<(一部の商品を除き)5%引です>
 ――という掲示があった。

5%引きなら消費税分がゼロということではないか。
早速、『手巻おにぎり紅鮭』(124円)と『ジョージア エメラルド』(96円)を買う。
レシートには、「消費税5%11円」が加算され、合計231円になった。税金は取られている。

同じコンビニの官庁街以外の店舗で同じ商品を買ってみた。確かに値段が違う。
・紅鮭おにぎり 130円
・ジョージア  115円
 消費税を合わせて257円になった。
 霞が関の方がなんと1割以上安く、消費税分がそっくりいらないばかりか、さらに値引きされていた。

消費税ゼロの証拠も発見した。
厚労省内のあるテナントで商品を買うと、レシートにはっきりと、<非課税>と印字されていた。
厚労省以外にも、経済産業省、農水省、税金を徴収する財務省(国税庁)でさえ、
庁内の売店の多くは5%以上の値引きを行なっており、消費税は実質非課税だった。
一体いつから、役人だけに消費税免除の特権が与えられたのか。

それだけではない。食堂でも職員だけが1割引きのサービスを受けている。
国民の福利厚生政策を担う厚労省が、職員の福利だけを充実させているとはどういうことか。

同省にぶつけると、≪非課税≫の仕組みをわかりやすく解説してみせた。
「食堂は職員共済組合のテナントです。まず、共済組合が厚労省から庁舎の一部を無償で借りる。
そのうえでテナントを選び、家賃を無料にするかわりに値段を安くしてもらっている。
コンビニなど他の店は、年間数十万~200万円の賃料をとっている」(福利厚生室)

都心のテナントが月10万円前後とは、どう考えても安すぎる。
一等地で家賃がタダ同然なら、店は喜んで消費税分ぐらい負担するはずだ。

役所の建物は国有財産である。
財務省の通達では、
<国有財産を貸し出す際には賃貸料を取らなければならない>――と定めている。

国民から税金を取るだけではなく、国の資産を貸して国家収入を増やし、
できるだけ税金を安くするのが公平な政治・行政というものだ。

大手不動産会社の担当者によると、
霞が関周辺の民間ビルの店舗の家賃は「1坪あたり3万円前後」という。
厚労省の食堂の床面積は30坪はありそうだ。
有料にすれば国に月額90万円、年間にして1000万円以上の家賃収入が入るはずだ。

ところが、厚労省はじめ中央官庁のテナントの多くは家賃が無料か格安というのだから、
霞が関全体、さらに全国の官庁の施設を合わせると天文学的な損失になる。
役人が国有財産=国民共通の資産を利権化し、
勝手に無料で貸して自分たちだけで消費税を逃れているわけである。

役得にとどまらず、法律上の背任行為ではないのか。厚労省側の反論には驚かされるばかりだ。

「確かに財務省通達では家賃を取ることになっている。
ただし、国家公務員共済組合法によると、
福利事業など共済組合の運営に必要と認められている場合は国有財産を無償で貸与できることになっている。
だから、同じテナントでも、共済組合ではなく、
厚労省と直接出店契約を結んでいる喫茶店やファーストフードの店からは所定の賃貸料を取っているのです」

なんと、役人たちは共済に国有財産を無料で使わせるという法律までこっそりつくり、
役得を合法化していた。
お手盛りの法律で合法を装う悪辣さには唖然とする。

週刊ポストより・・・・



Posted by 昭和24歳  at 14:17 │Comments(0)

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