2009年07月15日

国を滅ぼす国民

国を滅ぼす国民


多くの人がご存じだろう・・・・・
芥川龍之介「蜘蛛の糸」という物語。


今日の政治を見るにつけ、そこにいる政治家はその「蜘蛛の糸」にすがるカンダタと地獄の罪人の様である。
喜色満面の民主党代表にもなぜか虚しささえ覚えてならないのは僕だけだろうか・・・・・・
この国のそのすべてが敗戦、戦後の遺産の上に成り立っている事実は、とくに戦後世代は周知だろう。

しかし、今のこの政官財、そして国民大衆までが、自らの力で築いたものでもないのにもかかわらず・・・・・
見る様は、我先にとその“遺産”の山分け、分捕り合戦に明け暮れている。

昭和16年12月8日に、日本の宣戦布告で始まった日米戦争は4年の長きにわたり、
それまで営々と築かれた国富のすべてを失った・・・・・・
もっとも本当に失ったのは「民草」といわれた当時の国民、つまり階層でいう“平民”ではなかったか。

結局、森喜朗元首相の発言にあったように・・・・・・

「日本の国、まさに天皇を中心としている神の国であるぞということを国民の皆さんにしっかりと承知をしていただく」

と発言。いわゆる神の国発言。

このことは、あの敗戦により国民のすべての財産を、そして300万余の生命失わせても守るべきは「国体護持」であった・・・・・・
つまり、国体の都合の前には国民の存在は虫けら同然ということか。

実は、あの敗戦においても「蜘蛛の糸」の様だったようだ。
もちろんそこにいた釈迦とは戦勝国のアメリカ様ということだがその釈迦は戦利品を品定めすると、
さっさと懐に入れ、敗戦国、日本の数名のカンダタに「蜘蛛の糸」を垂れ・・・・・・
そこに生まれたのが今日のその森喜朗元首相の言われた「神の国」住人であった。

そのことは、現在の政府自民党の内閣を見ればそこにその姿をさらしている。
つまり、「神の国の住人」とは財界にして、政府の要職に就き、政界にして財界につながり・・・・・
官界においてもそこにそれを配し、そこに安住する人間のことだ。

今日では想像することはなかなか難しいが、その戦後とは地獄絵そのものだった。
わずか60余年昔の話である。
僕らの祖父母、父母はその戦禍にはすべてを失い、占領下、鞭で打たれるようにして労働し・・・・・・・
ようやくにして僕らを育て上げ一息ついたころに、カンダタは新たな蜘蛛の糸を見つけ手繰り始めた。

 
(1)戦後「均等財政」から戦後初の国債発行へ

戦後の日本政府は財政法第4条(注10)で、「国の歳出は、公債又は借入金以外の歳入を以って、その財源としなければならない」と定めていました。これは「均等財政」つまり「1年間の税収の枠内で政府運営をする。財政赤字を国債として後の世代へツケにしない」ということです(例外として社会資本整備の為の「建設国債」の発行は認めていました)。

「日本の国家破産について」より抜粋引用

「財政赤字を国債として後の世代へツケにしない」

それが、今日、国地方で1200兆円ともいわれる借金・・・・・
それも、「国民からの借金」といいながら、その借金の返済は「国民」ということは一体どういうことか!!???

まさに、カンダタが支配する「蜘蛛の糸国家」ではないか。

そしてせっせと積み上げてきた国富、国の資産は「民営化」と称してそのカンダタたちに山分けされている。
それで、不況だの、派遣ギリだの、ワーキングプアだのと嘆き、挙句は自殺者が年間3万人もいる。
その意味では自分で自分の首を絞める民草、平民・・・・・・顔なし国民。

ここに吉田茂の面白いジョークを紹介したい・・・・・

終戦直後のまだ国民が飢えと戦っていたころ吉田はマッカーサーに、

「450万トンの食糧を緊急輸入しないと国民が餓死してしまう」

と訴えたが、アメリカ側は結局6分の1以下の70万トンしか輸入できなかった。
しかし、餓死者はでなかった。マッカーサーが・・・・・

「ミスター・ヨシダ、私は70万トンしか渡さなかったが餓死者は出なかったではないか。日本の統計はいい加減で困る」

と抗議した。それに対して吉田は、

「当然でしょう。もし日本の統計が正確だったら、むちゃな戦争などいたしません。また統計どおりだったら日本の勝ち戦だったはずです」

と返した。これにはマッカーサーも大笑いだったという。


つまり日本の統計はいい加減。というより官僚のごまかし・・・・・・
うがちすぎだが、当時450万トンも要求した日本政府だが、実際は70万トンで足りた。
ということは、もし450万トンも入ってくればその水増し分は政官財で山分けだったのかも知れない(笑)。

そのことからすれば、70万トンしかよこさなかったというアメリカ政府はそこを見抜いていた・・・・・・
実際の日本の需要予測を情報として分析していた。

で、昨日のCIAの報じる日本の国家予算(歳出)だが、

expenditures: $1.823 trillion (2008 est.)

とある、$1.823 trillion 。つまり“1兆8230億ドル”・・・・・・・
ということは、1ドル=100円としても“182兆3000億円”ということになり、
政府発表の87兆円とは100兆円近い隔たりがある。
CIAの情報は日本の特別会計を含めてのものなのか・・・・・

つまり国民には正確な情報を公開せず、あらゆる事柄を誤魔化し、偽装、水増しする。

それでもこの国の国民は、天下を取ったような騒ぎの東京都議選、野党圧勝でも・・・・・・
その投票率は56%である。ということは半数近い都民有権者は棄権しているということだ。

つまり、この国のカンダタ達にとって、それは、自民党が大敗しようが、民主党が大勝しようが、
ほどほど、ころあいの、いい加減な投票率っていうことではないか。

この期に及んで、覚醒してない国民の政治意識・・・・・・
カンダタ連中はせっせと財宝をため込むことだろう。
なにせ、返済は国民なんだから(笑)。


そしてカンダタは逃亡を図り、国は滅びる。



Posted by 昭和24歳  at 11:07 │Comments(0)

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