2009年02月21日
“ミュージシャン語会話”
“ミュージシャン語会話”
はじめに
それは昭和40年代まで全盛だった所謂“バンドマン”です。
それもどちらかと言うと、キャバレー、
それもどちらかというと地方のその“バンドマン”の間で交わされた“バンドマンの符丁”とでもいうのか・・・・・
そんな独特の音(イン)を含んだ会話集をご案内します。
基本は“ミュージック”です。それと“夜の商売”ということ。
そこでまずは、“挨拶”から・・・・・
基本的に“夜の商売”ですから、バンドマンにとっては入店時が“朝”ということで、
夕方の5時ごろでも、
「おはようございます」
で始まる。もっとも挨拶はそのひとつ。
そして“ゴトシ”(仕事)がはねて帰るときは、
「お疲れ様でした」の“お疲れ様”をとって「でしたぁ~」で終わる。
さてバンドマンであるから楽器、演奏もその用語で会話される。
ビッグバンドはトランペット、トロンボーン、サックスの管楽器隊と、
スリーリズムのベース、ピアノ、ドラムとが基本。
そこで、
トランペット=パツラ:“パツラ”はトランペットを総じて“ラッパ”と言うことからそう言う。
トロンボーン=ボントロ(ボーンのところはあえて伸ばさない)
サックス=サックスにはアルト、テナー、バリトンとあります。そこで、
アルト=そのままアルト。
テナー=ナーテ
バリトン=バリトン(そのまま)
ピアノ=ヤノピ
ベース=スーベ
ドラム=タイコ
因みに、ギター=ターギ
そして楽器のことは“キーガ”。
バンドマン用語では、“楽器”(ガッキ)のように“二字”表現の場合ほとんどがそれを逆さまにして、
真ん中を“伸ばし”、『キーガ』という。
例えば“歌=ターウ”とこんなのもある。
さらに“一語”の例えば「血」なんかの場合は=“イーチ”と・・・・・・
子音、母音の部分を伸ばし活用する。
歯=“アーハ” 目=“エーメ” 毛=“エーケ”と活用する。
さて、バンドマンの数字の表現は全て音楽用語の“CDEFGAB”に変えて言う。、
“ツェー・デー・イー・エフ・ゲー・アー・ハー”そして“オクターブ”からなる。基本的にはドイツ語的発音からなるため“C”=“シー”ではなく、“ツェー”あるいは少し訛って“チェー”と言う。
因みに“B”=“ビー”でもなく“ベー”でもない、“ハー”となる。
お金の計算、日時の表現用語。
例えば、“ラーギャ”(ギャラ)が“一回「30000円」なら、“イーマン”と言う。
例えば、ギターの修理に「158589円」も払っちゃったと言ったときは・・・・
「ターギのシーナオに『ツェージュー、ゲー万、ハー千、ゲー百、オクターブ、ナイン』もラーハイしちゃった」
つまりこの場合でもあくまでもバンドマン的にカッコよくみたいなキメがあって、“修理”も修理とは言わずに、とっさに“直し”=“シーナオ”となり、
「払っちゃった」と言うところも、“払う”と言う単語に“ちゃった”と言う風に過去完了形を用いることで・・・・・
さて時間の表現はどうなるか・・・・・
例えば、“5時35分”なら、
「ゲー時、イージューゲー」となり、あえて“分”の部分は省略します。
と言うことで、以上のように、バンドマン同士の日常会話は殆ど単語を“逆さま”に言い、接続詞以外は動詞、名詞、形容詞、副詞も、逆さまに言う。
例文を紹介します。
「仕事が終わったら一杯やる?」=「ゴトシが、リーオワしたら、パイイチ・リーヤする?」
と、まあ、こんな感じです・・・・・・
次回は日常会話と単語の作り方を。
ええっ、もういいですって!!
じゃあ、でしたーーーてえことで。
Posted by 昭和24歳
at 18:54
│Comments(5)
実はここが発祥だったりして・・・。
ロシモー!
「オモシロ」を逆に言っただけですけど・・・。
これ・・・ちがいますよね?(・_・;)汗
>実はここが発祥だったりして・・・。
まあ、鮨屋、板前さんの符丁ですね(笑)。
戦後、米軍キャンプで働くバンドマン・・・・・
つまり英語だけの環境がそんな“日本語”を作ったようです。
つまり、米兵に「レーバ」(バレ)しないために。
僕らも、盛り場ですから「ザーヤク」に「レーバ」しないように使ったりしました(笑)。
>「オモシロ」を逆に言っただけですけど・・・。
バンドマンの間では、「オモシロイ」こと「楽しいこと」、「嬉しいこと」などを言う場合はひとっくくりにして・・・・・
「グーだね」とか「ゴキゲンだね」とか・・・・
「ユー、あのチャンネェ、グーじゃない!
あのエーメン、ゴキゲンだよ!!」
とかです。
この言葉の生みの親が居ることをご存知でしょうか?佐伯憲二(明治27年広島生まれ昭和39年70歳で没)彼は現N響の前身新響のトランペット奏者、晩年はNHKのど自慢で鐘を鳴らしていたようです。
それが元でバンドマン達が使うようになった。かく言う私も使っていましたが、今となるとチョイト恥ずかしい・・・
博多ではドンバが、さようならをする時は「そげなふうで」と言って別れていましたよ。
しかし、大阪では困りました。大阪弁を反対にするさかい・・ボウシン・マランタとか言いましてそりゃもう、それは日本語ではおまへんでした。
、