2011年06月16日

壮大な核スキャンダル

壮大な核スキャンダル
<広瀬隆著:パンドラの箱の悪魔より抜粋>


壮大な核スキャンダル

1952年11月1日に行なわれた人類初の水爆実験


「核兵器」とは原爆・水爆の言い換えである

 原子爆弾水素爆弾は、いつしか原爆や水爆や原水爆と呼ばれるようになり、現在では、核兵器と称されている。
 しかし核兵器という言葉は、50歳を過ぎたわれわれの世代が子供のころに使っていた原子爆弾や水素爆弾という生々しい言葉に比べて、なんと貧弱で、機械的で、抽象的であろうか。人間の内臓を破裂させ、全身を焼きつくし、五体を粉々に吹き飛ばす肝心の“爆弾”という言葉が抜けているからである。
 原子爆弾・水素爆弾は、その威力だけではなく、被害者が味わった恐ろしい恐怖感を内側に秘めた言葉である。

 ところが核兵器と呼ばれるようになってから、誰も気づかないうちに、炎と放射能と爆風で破壊される土地の驚くべき惨状を忘れるようになり、相手を倒すための戦略として準備され、使う側の武器に一変した。机上で用いられる、無味乾燥な言葉となっていたのである。広島と長崎に投下されたものは、核兵器ではなくおそろしい原爆であったのだ。
 核兵器という言葉で育った若い世代は、原爆がさく裂した時に発する灼熱の光線と爆風が、人間の貧弱な肉体にどのような作用をもたらすかという恐怖を実感していない。核兵器を保有するアメリカ人もロシア人もイギリス人もフランス人も中国人も、ほとんどの国民がその恐怖を感じていない。知っているのは、大気中の核実験に参加して被曝したアトミック・ソルジャーと呼ばれるモルモット兵たちだけである。


壮大な核スキャンダル


 アメリカとソ連が敵対関係にあった東西冷戦時代に、世界で大気中の核実験が528回もおこなわれ、ブルッキングス研究所の分析によれば、その放射能による癌の死亡者の数は、最高240万人に達する可能性があり、すでにその多くが死亡しているという。アメリカのシンクタンクが99年末に明らかにした最近の調査結果だから、信憑性は極めて高い。
 それを知った上で、以下のような「核兵器」についての不毛な議論の、真相をきわめてみよう。
 
 核兵器は、なぜかアメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国の5つの核保有国以外には禁じられている兵器である。この5カ国は、ナチスドイツ大日本帝国を敗北させた第二次世界大戦の戦勝国である。しかも終戦直前に発足した国連の正義を代表して、全世界の平和を維持する常任安全保障理事国とされ、国連の決議に対して拒否権を持っている。ところが二次大戦が終わったあとに、各地で発生した戦争や紛争で実に1000万人以上が死んでいるが、そのほとんどにこれら5カ国が関与している。
 
 再びラ・フォンテーヌの寓話を思い起こす。弱い子羊が川の水を飲んでいると、狼がやってきて、

「俺の水飲み場を汚すな」

と追い立て、あらゆるいやがらせをおこなう。生まれたばかりの子羊さえ、

「去年俺の悪口を言っただろう」

とオオカミに言いがかりをつけられ、

「去年、私はまだ生まれていませんでした」

としきりに弁解するが、狼はそれを聞き入れず、森の奥につれていて食ってしまう。こうして・・・・・・

“最も強い者の言い分が常に正しい”

という有名な文句が生まれた。

 日本の“勝てば官軍”と同じである。

 17世紀のフランスで、ラ・フォンテーヌがオオカミに譬えて痛烈に批判したのは、農民に圧政をしいた太陽王ルイ14世であった。『三銃士』に登場した宰相リシュリューのあとで権力を握り、「朕は国家なり」と豪語しながら、東インド会社を育て、ヨーロッパ随一の軍隊をつくりあげて戦争に戦争を重ねた男だ。核兵器を保有する5カ国は、地球の太陽王を気どっているかのようだ。
 そのルイ14世の時代に今日の“バブル崩壊”の語源となった“南海泡沫事件”と呼ばれる巨大な投機失敗事件が起こり、恐慌に発展したことまで、現代とそっくりである。
 98年5月、この5カ国も禁を犯して、インドが2度目の核実験をおこない、続いて隣国のパキスタンが核実験に踏み切り、これからは、どこの小国が小さな原爆を実践に使っても不思議ではない時代に突入した。

 ユーゴ内戦や、イスラエルパレスチナ解放機構(PLO)とのあいだに続く紛争で、誰ひとり想像もしないときに、一発の原爆がさく裂する・・・・・・そのようなニュースを想像してみればよい。おそらく全世界の人は、それまで漠然と抱いていた安心感を吹き飛ばされ、その日から、地球における人類の終わりを予感しはじめるだろう。
 しかしインドとパキスタンにおける原水爆開発のメカニズムについては、世界のジャーナリズムが故意か、それとも無知であるためか、まったく語らず、読者が思いも及ばない事実が隠されている。
われわれ日本人が、インドとパキスタンの原水爆開発に直接かかわってきたという事実である。



そして、福島第一原発で「核爆発」が起こった・・・・・・

まあ、そのことで、いかに原発というものが「ワリ」のあわないものかが、世に知らしめられた。

その意味では「チェルノブイリ」は他人事だったわけだが、

今回のこの「福島第一原発」のそれは、西側、つまり、冷戦の勝者のお膝下の惨事。

で、ことと次第によっては東日本っていうか、今後起こりうると想定される東海地震とかを考えれば、

つまり、浜岡原発なんだが、それが止まっていようが、止まっていまいが・・・・・・

「東日本沈没」

壮大な核スキャンダル
<広瀬隆著:パンドラの箱の悪魔より抜粋>





Posted by 昭和24歳  at 09:27 │Comments(1)

この記事へのコメント
大昔の夏ですが、高崎スズランの催事場で「広島・長崎原爆展」を観ました。小学生の頃です。打ちのめされました!
さらに靖国神社の横の遊就館での錆びたドラム缶みたいな「回天」も怖ろしかった。悪夢にうなされ、泣きました(>_<)


それ以来、どんな怪談やら今でいう都市伝説もまったり「足湯」感覚です。

本場の広島の原爆記念館にはたぶん…入れないだろうかな。

だけどリアルタイムは、見えない、匂わない、「直ちにではない」という危機が厳然とあるんです。

年々歳々、花は毎年おなじように咲くでしょう。人は過ぎ去って行くでしょう。

見た目ではそうかも知れないが、いずれも寂滅という絶対速度の流れの中にいる。だとしたら、それぞれが絶対速度で存在しているのだから、抗ったり、荒ぶることも、遡上したりしても善哉なんでしょう。

相対的に社会は出来ているようにしつらえているように見えますが、それは他者を自己が受容すること。また他者に自己が受容されるための妥協点です。【自由・平等・友愛】はいわば誰もが「異議無し」な正義の理念だから、万国の富裕層も貧民もそれを否定はしない。
しかしため息が漏れ続けている。
Posted by 忠やん at 2011年06月17日 03:03
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